教室レポート

備前・現代陶芸ビエンナーレに寄せて

明日まで備前市の備前焼伝統産業会(伊部駅に隣接)で、本年度に創設された「備前・現代陶芸ビエンナーレ」が開催されています。9:30~16:00 今回私も出品させて頂いています。

常日頃感じていることなのですが、夕刻散歩の途中西の空を見れば夕焼けがきれいであり、またふと夜空を見上げれば月が出ていて、たまたま満月ということもあります。その時、今NHKの大河ドラマ「光る君へ」が放映されていますが、その一場面を思い出し、それはまひろ(紫式部)と藤原道長が同じ頃月を眺めている光景で、私の眺めている月も同じなのかということであり、自然は色あせることなく、いつの時代の人にも感動を与えるものなのかと思ってみるのです。それに比べ人の作ったものは、その人の生きた時代を感じさせる。時にはこれに当てはまらない天賦の才を持った大作家もおられるのでしょうが。人の作る作品には二通りのものがあるのではないかと。しかし、人が作る以上その人が受けてきたその時代の影響を排除することはできないでしょう。では、少しでも近づける方法はないのか。そこで「自然に任せる」という生き方ができればと思うのですが、これがなかなか難しいのです。

冒頭の話に戻るのですが、今回備前で公募展が開催されることも、フェイスブックで備前の知人が載せていた記事に目が留まり教えていただいた次第です。地元備前という身近さ、搬入も直接できて容易ではないかとの思いが頭をよぎり出品してみようかと。では何をということになり、備前なので焼き締めで行こう。その時先程の自然の美しさというのが頭にあり、自然の産物である土と木が燃えて生じる炎この二つが自然に作用しあって、人為を超えた作品が生まれるのではないか。とすればそれに一番合致した作品はどれかと考え今回の作品を応募したわけです。人間があれこれ考えてもその景色は生み出せないでしょう。そこに人々は魅了されるのではないでしょうか。今回の事は、主催された備前市、審査員をはじめ準備を任された職員の方々は言うに及ばず、作品が出来上がることに関わって下さった人・モノ全てに有難く感謝申し上げます。