岡島光則 陶展「色を旅する」
もう残りの会期が少なくなってきました。今回の会場は、岡山県玉野市築港にあるUNO HOTELのギャラリーです。直島等への本州側玄関口ということで、海外の方の宿泊も多いそうです。私も初めて足を運んだのですが、JR宇野駅のすぐ東側でわかりやすいアクセスでした。
展示会のタイトルは「色を旅する」で、旅行客の方に色を意識して制作してきた作品の変遷を楽しんで頂こうというものです。最初の作品は2014年に遡りますが、京都の町家を展示空間にしたギャラリーで土間、板ノ間、座敷と奥に続いている空間を設えています。京都の庭を意識して一枚ずつの切石を塗り分けた石畳が視線を奥へと誘うように配置し、その奥に山状なものがいろいろな角度で結合する形体を並べました。この時は山並みだったかもしれませんが、後日「島影」と名付け、そのバリエーションで今回出品の「遙望」が制作されました。次に、それまで無彩色に近い色で「構面」シリーズを制作していましたが、2016年に色釉で塗り分けた面で構成しました。実はこれに似た形状のものは1999年に制作していたのですが、この時は色面という意識が希薄でした。2022年にA.I.のギャラリーで個展をさせて頂いた時に「色構面」作品を制作していたのですが、丁寧に作ると陶器に見えなくなるという矛盾を感じ、一見して焼き物にしか表現できないものをと考え、土の塊をくり抜き、そぎ落とし、そこにカラフルなガラス状になる釉薬を掛けた作品へとたどり着きました。