教室レポート

再び「-前衛陶芸の先駆け―走泥社展」

 今、岡山県立美術館で「特別展 走泥社再考」が開かれています。1948(昭和23)年京都において八木一夫、山田光、鈴木治先生ら5人によって結成され、1998(平成10)年に解散した走泥社の前半期にあたる1973年までを対象とした展覧会になっています。今まで意識しなかったのですが、総勢67人が参加し陶芸家ではない佐藤雅彦先生まで在籍していたことがわかりました。今回地元作家として、走泥社ではないのですが、同時代に結成された四耕会に所属していた岡本素六先生の作品も1点ですが展示されています。岡本先生は1925年に酒津焼の岡本陶州を父に生まれ、1946年に京都高等工芸学校窯業科を卒業し、1952年から長年にわたって岡山大学教育学部で教育に携わって来られました.また、走泥社展が開催されていた時期でなければ目にすることのできない方々の作品も、すべての方ではありませんが今回展示されていました。

 この話を私の工房でしていましたら、「鈴木先生のクリスマスという作品を以前図録の写真で見て制作したが、後日本物を拝見したら全然スケールが違っていた。」と教室の会員さんが語られました。先生の作品としてはよく知られているものですから、今回も出品されていたか図録で確認しましたら写真が掲載されていました。でも会場で拝見したような記憶がありませんので、出品目録を見ますと京都国立近代美術館のみでの展示となっていました。その時思い出したのが、今回ご紹介する岡山にある黒住教宝物館で展示されていたことです。(それは2022年秋のことで岡島工房のホームページで9月6日に載せています)確認のため再び足を運び、改めて「-前衛陶芸の先駆け―走泥社」展を拝見しました。残念ながら鈴木先生のクリスマスはありませんでしたが、前回と同じように八木、鈴木、山田先生の作品に加え、熊倉、笹山、宮永、林秀行先生の作品がありました。また別室には2枚目の写真のような鈴木先生の作品があり、壁面に掛かっているのは、2001年先生が亡くなられた時、前教主の黒住宗晴先生が述べられた弔辞です。鈴木先生との関わりがわかります。「特別展 走泥社再考」は4月7日(日)まで。(月曜日は休館)「-前衛陶芸の先駆け―走泥社展」は毎月1日,土・日・祝日の午前11時から午後3時まで。入場無料で開催されています。