庭の作品 その1
今回から我が家の庭に置いてある作品を紹介させて頂きます。屋外というと焼き締めの作家さんで古びた風合いを出すために風雨にさらしておられる場合もあるようです。そのため路傍に転がしている壷など、要らないから捨ててあると思った方が持って帰ろうとして叱られた話もあります。反対に30年ほど前まだ私がアイビースクエアの指導員をしていた頃の話ですが、有志で信楽に見学旅行に行った時、訪ねた作家さんが茶陶作品をたくさん捨てておられ、なかには溶けた灰が流れ美しいグリーン色のガラスとなった花入れなどもあり、それがいいと所望しタダでは申し訳ないと安い金額で頂いて帰った方もおられました。では私の場合はというと、収納スペースに置いておくことができなくなり屋外に出されたもの、または使って頂ける方の手元に届けられなかったもの、いわゆるキズものとかも含め世に出す気になれなかったものたちです。写真の作品は今丁度咲いているスズランに取り囲まれています。直交に組み合わされた板が直方体の塊に接着されています。作品集の「組片陶板花器」の解説にもある陶板の一部なのですが、「二項対立」のコンセプトで制作したものです。形態的にはかなり異なりますが。次回の作品も楽しみにしていて下さい。