教室レポート

教室作品展(2023)その2

前回に続き今回の写真には、カップ&ソーサ2点と鉢が3点写っています。手前のカップ&ソーサは呉須という青い顔料で描かれています。呉須は色の濃淡を表現するのに適しています。奥は釉薬をかける前に絵付けする下絵の具が使われています。後ろの鉢も呉須を使っていますが、広い面積を塗っていますので筆むらが味になっています。手前右の鉢は、鎬模様が入りマット状の緑色の釉薬が掛かっています。鎬模様の面白いところは、削り込むことで表面に凹凸が生じ釉薬の色合いに変化がでることです。鎬(しのぎ)というのは刀剣に由来する用語で、刃と峰との間に刀身を貫いて走る稜線のことです。よく耳にする言葉で「しのぎを削る」のしのぎがこれに当たり、鎬がこすれて削れてしまうほど激しく刀で斬り合うさまを言っています。

陶芸にはいろいろな技法がありますが、人によって何を好むかはそれぞれのようです。最近チャットGPTが話題になっていますが、「この写真で一言」と尋ねたらどんな回答をしてくれるのでしょうか。AIがますます人間に近づくなら、人間はなぜ存在するのかという問題が明確になってくるのではないでしょうか。